初めての彼が出来た時の話です。

いつも遠くから見ていただけの彼が、私の隣で微笑んでいる…それだけで有頂天になっていた私。
とっても優しくて大好きなのですが、ひとつだけ困った事がありました。

デートの時、彼は手を繋ぎたがるのですが、実は私の手汗はハンパないのです。

何もしなくてもいつもジトッと湿っている手の平が、彼が側にいると思うだけで、まるで手を洗った後に拭いていないかのようにビショビショになってしまいます。
こんな恥ずかしい事、とてもじゃないけど打ち明けられないし、万が一手に触ってバレてしまったらきっと気持ち悪がられる…

彼が手を繋ごうと伸ばしてきたらすかさず腕を組んで誤魔化してしまうのです。

本当は私だって彼と手を繋いで歩きたい。昔の洗剤のコマーシャルのように繋いだ手をブラブラさせながら微笑み合いたい…
そんな想いを抱いたまま、結局その彼とは一度も手を繋いだ事なく別れてしまいました。

あれから随分と時間が経ち、あの頃よりは大胆になれていますが、やはり手を繋ぐのは躊躇してしまいます。
そしてあの初めての彼がいつも思い出され、懐かしさと甘酸っぱい気持ちで胸がいっぱいになるのです。
久しぶりに会ってみたくなりました。